【保育士が扶養内で働く】パート保育士が知っておくべき扶養制度と失敗しない働き方(年収の壁)

キャリアアップ

パート保育士として働き始める時に、難しいと感じてしまう「扶養内パート」のお金の話。

保育士の求人を見ていると、扶養内パートという言葉をよく見かけますよね。

扶養内で働くってどういうこと??

実際、月にいくらまでなら、「扶養内」になるの??

「扶養内パート保育士」として働くって実際、どういうことなの??

「扶養内」でパート保育士として働くメリットって、どういう事があるの?

そんな疑問にもお答えしていきます。パート保育士として働く時に「扶養」については知っておいた方が良い事ばかりです。

パート保育士として働く時に「扶養内」をしっかり理解していないと、働き損になる可能性があるので注意が必要です。

「扶養内で働く」という事を正しく知って、働き損を回避しましょう。

「扶養」「扶養控除」「配偶者控除」など扶養制度について、わからない事がたくさんある人も多いかもしれませんが、この記事を読めば理解できるようになっていますので、安心してくださいね。

誰でもわかるように、わかりやすい言葉を使って簡単に解説していきますね。

この記事でわかること
  • 扶養内パート保育士で働くという事は?
  • パート保育士が押さえておきたい「扶養制度」の3つのポイント
  • 扶養内で働く時に知っておくべき3つの扶養制度の内容
  • パート保育士が扶養内で働く時の収入は月いくらまでなら大丈夫か??
  • パート保育士が扶養を外れると、どういった点で損をするのか?
 

今回は、保育士がパートで働く上で「知っておくべき扶養制度」について詳しく解説していきます。

働く主婦が知っておくべき「扶養制度」について、基本的な事から説明していきます。

パート保育士さんや今からパートを始めようと思っている保育士さんのために、パート保育士が「扶養」について困らないようにひとつずつ丁寧に解説します。

パート保育士として働く時に、知っておいた方がいいことばかりなので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

扶養内パート保育士とは??

扶養内パート保育士とは、「扶養控除を受けられる所得(年収)の範囲内で仕事をする」ということです。

簡単に言うと、夫の扶養に入って「扶養控除」を受ける事が出来る妻の所得(年収)の上限を超えないようにして働くという事です。
※夫の扶養に入れる妻の所得(収入)の上限は決まっています。

扶養制度には「妻の年収が〇〇〇万円以下」いう所得条件があるので、多くのパート主婦は、扶養内で働きたいのでその年収を超えないように調整している事が多いです。

扶養内パートで働く事で、扶養制度が活用され、世帯主(夫)の所得税や住民税の減額されたり、夫の社会保険の被扶養者になる事ができるので、妻の社会保険料費が0円となるのでお得です。

初心者でもわかる扶養制度について

扶養制度についてわからない事がたくさんあるけど、今更、誰にも聞けない…と思っている人も多いでしょう。

そんなパート保育士初心者さんのために、簡単にわかるようにひとつずつ解説していきます。

同じ言葉が繰り返し出てきますが、難しく考えなくて大丈夫です。

ゆっくり読み進めていってください。最後まで読めば、きちんと理解できる内容になっています。

「扶養」や「扶養制度」って、どういうもの??

そもそも「扶養」って何??

「扶養制度」って、実際どういうものなの??

パートで働きたいけど、「扶養内」で働いた方が本当にお得になるの??

「扶養」について、いろんな疑問をお持ちの方も多いでしょう。

ほのびこ
ほのびこ

パート保育士として働く上で、「扶養控除」・「扶養制度」については知っておいた方がいいです。

なぜなら、きちんと理解しておいた方が、パート保育士のメリットを最大限に活かすことが出来るからです。

「扶養控除」とか「扶養制度」など、同じ言葉を使った専門用語が出て来ますが難しく考えなくて大丈夫です。

一つずつ詳しく解説していきますので、安心してくださいね。

まずは、「扶養控除」と「扶養制度」という言葉を詳しく見ていきましょう。

「扶養控除」とは、

扶養する家族がいる事で、税金面で控除(所得税や住民税が安くなる)配偶者(この場合、妻)の社会保険料や年金が免除されることです。

扶養控除には大きく分けて、世帯主の税金の減額(税金面での扶養)と妻の社会保険料の免除(社会保険上の扶養)の2つがあります。

この2つの制度の事を「扶養制度」だと考えておけば大丈夫です。

簡単に言うと、世帯主(夫)は、妻を扶養している事で所得税や住民税が安くなります

また、妻は夫の扶養に入っていると社会保険料や年金を免除(0円)されているのです。

扶養って何?

「扶養」というのは一般的に、親族から経済的援助を受けることをいいます。

簡単に言うと、同一生計の中で世帯主が他の家族を「生活できるように経済的にサポートする」ことです。

世帯主が夫の場合「妻が夫の扶養に入る、世帯主が妻の場合「夫が妻の扶養に入る」といった使い方をされることが多いです。

今回は、妻が夫に扶養に入るという意味での「扶養」について解説していきます。

扶養制度で、お得になること

扶養制度は、

大きく2つに分けられています。

税制上の扶養
  • 夫の所得税・住民税が安くなる
社会保険上の扶養
  • 妻の社会保険(年金・健康保険料)が免除される

扶養制度とは、簡単に言うと

  • 夫の所得税や住民税が安くなる「税制上の扶養制度」
  • 妻の社会保険料や年金が免除される「社会保険上の扶養制度」の2つのことです。

この他に、世帯主(夫)の勤務している会社によっては「扶養手当(家族手当)」というものがあり、扶養制度と同じように、妻の所得(年収)によって制限がかかるものがあるので注意しましょう。

「扶養手当(家族手当)」については、扶養内で働く時に知っておきべき3つの扶養制度で詳しく解説していますので、参考にしてくださいね。

今回は私と同じように、妻が専業主婦で夫が会社員(自営業以外)の家庭を基本として説明していきます。自営業や夫の年収が一定以上ある場合は、該当しませんのでご了承ください。

「扶養内で働く」という事をわかりやすく説明

「扶養内」とは、「扶養控除が受けられる範囲内」という意味です。

よく言われる扶養内パートとは、妻が「扶養控除を受けられる所得(年収)の範囲内でお仕事をする」という意味です。

※「扶養控除」を受けるためには、妻が働いている場合、その年収に制限があります。

夫の所得税や住民税の軽減や妻の社会保険料と年金の免除を受けられる範囲内(決められた年収の範囲内)で働くという意味

「税制上の扶養制度」「社会保険上の扶養制度」では、妻の年収の限度額が違いますので、注意が必要です。

全く別の制度だと考えておきましょう。

扶養控除(扶養制度)で免除されること

扶養控除とは、家族を養っている人(夫)の税負担を少しでも軽減するための制度です。

税負担の軽減とは、夫の所得税や住民税が安くなるというものです。

妻の社会保険料や年金の支払いが免除されることも入ります。社会保険料を支払っていなくても、夫の会社の保険証が使えるのは、この制度があるからです。

その中でも、配偶者(妻)に関する控除のことを「配偶者控除」「配偶者特別控除」と言います。

配偶者控除と配偶者特別控除については、扶養に入っている妻がパートなどで働いたときの収入(年収・一部月収の限度額もあり)によっての受けられる控除の内容・金額が変わってきます。

パート保育士が押さえておきたい「扶養制度」の3つのポイント

ほのびこ
ほのびこ

扶養制度には「妻の年収が〇〇〇万円以下」いう所得の上限があります。

妻の所得(年収)や労働条件によって、「扶養制度」で受けられる優遇措置(税金が安くなる額や社会保険や年金の免除されるかどうか)がかわってきます。

それぞれで、妻の年収の上限が違います。

税金が軽減される所得の上限社会保険料などの免除の上限全く別ものになるので、注意してください。

パート保育士として働く上で押さえておきたいポイントは、

扶養内で働く時に抑えておくべき3つのポイント
  • 税制上の扶養制度(所得税・住民税の軽減)と社会保険上の扶養制度(社会保険料と年金の免除)を受けられる妻のパート年収の限度額は違う(全く別物として考える必要あり)
  • 働き損にならないために、チェックすべきは「社会保険上の扶養制度」
  • 夫の会社からの「扶養手当(家族手当)」が支給される場合は、支給の要件に妻のパートなどの年収の限度額があるので、こちらも考慮して働き損を回避しよう!

扶養内で働く時に知っておきべき3つの扶養制度

「扶養内」で働く事を考えた時には、次の3つの扶養制度をしっかり抑えておくと安心です。

扶養内で働く時に知っておくべき3つの扶養制度
  • 税制上の扶養
    夫の所得税・住民税が安くなる
  • 社会保険の扶養
    妻の社会保険(年金・健康保険料)が免除される
  • 扶養手当制度:(夫が勤める会社によって異なる)
    夫の会社からの扶養手当(家族手当)の支給

よく耳にする扶養内パートとは、「扶養控除を受けられる所得(年収)の範囲内でお仕事をする」ことです。

扶養控除を受けられる所得(年収)=妻のパートの年収(一部月収での限度額もあるので要注意)

『税制上の扶養』と『社会保険上の扶養』では、扶養控除が受けられる妻のパートの年収の壁が違うので要注意です!!

また、夫の会社からの「家族手当」についても、妻の年収の限度額があるのできちんと確認しておきましょう。

ちなみに、夫の年収にも限度額があります。

妻のパートの年収に関わらず、一定額以上の年収がある夫の場合「扶養控除」が受けられないので注意しましょう。

税制上の扶養控除

税制上の扶養とは、所得税の配偶者控除(配偶者特別控除)のことを指します。

配偶者控除(配偶者特別控除)とは、配偶者(妻)の所得が一定以下であれば、世帯主(夫)の所得税・住民税が安くなる制度です。

ほのびこ
ほのびこ

年末調整での申請によって配偶者控除(配偶者特別控除)が適用されます

配偶者控除
  • 夫の税負担が軽減される制度。
  • 妻の収入が年収103万円以下
  • 最大38万円が控除される
  • 夫の年収が1,120万円を超えると控除額は段階的に減額される
  • 夫の年収が1,220万円を超えると控除額は0になる。
配偶者特別控除
  • 配偶者控除の満額(38万円控除)が受けられるのは、年収150万円まで
  • 妻の収入が103万円を超えて配偶者控除の適用外となった場合も、201万円までは夫の税負担が軽減される制度。
  • 配偶者控除同様最大38万円が控除される
  • 配偶者と納税者の年収額に応じて控除額は段階的に減額される
  • 配偶者の年収が201万円を超えた場合と、納税者の年収が1,220万円を超えた場合は控除額は0

配偶者控除(配偶者特別控除)を満額で受けたい場合は、パート給与年収を150万円以下に抑えましょう。

ほのびこ
ほのびこ

この配偶者控除の境い目を「150万円の壁」や「201万円の壁」といいます。

ただし、配偶者控除は妻の年収によって段階的に控除額が減るので大きな「働き損」とはなりません

そのため、「税制上の扶養」に強くこだわる必要はありません。

配偶者控除について
配偶者控除の所得以外の要件
  • 配偶者控除を受けられるのは、民法の規定による配偶者であること。
    (内縁関係の人は該当しません)
  • 納税者と生計を一にしていること。
  • 青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないこと又は白色申告者の事業専従者でないこと。

社会保険上での扶養控除

社会保険上の扶養とは、夫の社会保険の被扶養者になることを指します。

夫の社会保険の被扶養者になると、妻の社会保険料が0円となるのでお得です。

社会保険とは?
  • 公的年金
  • 健康保険
  • 介護保険(保険料の支払い40歳~)

社会保険の扶養に入るための条件

妻が夫の社会保険の扶養に入るための条件は、次の2つです。

  • 労働時間・勤務日数が正社員の4分の3未満
  • 1年間の見込み年収130万円未満(交通費・残業代・賞与含む)
    ※60歳以上は年収180万円未満

ただし、上記2条件を満たしている方でも、下記の「パート先の社会保険加入要件5つ」をすべて満たすとパート先の社会保険(厚生年金・健康保険)への加入義務が発生します。

2022年10月~社会保険加入の要件が変わりました。今まで加入義務がなかった人でも、加入の対象になることもあります。

今回の改正によって、社会保険加入しなくてはいけなくなってきた人が増えてきそうです。

パート先の社会保険加入要件5つ

ほのびこ
ほのびこ

パート保育士として働く上で、従業員数が101人を超えている施設は少ないように感じますが…

老人ホームやデイケアサービス、その他の児童福祉施設なども経営している社会福祉法人になると、総従業員の数になるので注意が必要です。

社会保険上の扶養内でいられるようにするためには、
加入条件が満たされている場合は、労働時間と給与の面で気を付ける点があります。

週に20時間以上働くことにならないように」
(例:1日4時間×週5日以内など)

「月に8万8,000円を超えないように」
 
(例:時給1100円×4時間・月20日以内など)

の2点に気を付けて、勤務時間の調整をしてもらいましょう。

扶養外になって、夫の社会保険の扶養を抜けてパート先の社会保険に加入すると、社会保険料の負担分だけ手取り額が減る(自分の手元に入る給料の減少)。

そのため、手取り額の働き損を気にする方は「社会保険の扶養」に注意しましょう。

扶養手当制度(世帯主の会社からの家族手当)

夫の勤務先の会社によっては、扶養手当(家族手当)制度があります。

扶養手当制度とは、夫が勤めている会社によって異なりますが、夫の会社から扶養手当(家族手当)が支給されることです。

扶養手当(家族手当)とは??
  • 家族をもつ従業員に対して企業が支給する手当。
  • 企業の福利厚生制度のひとつ。
  • 企業によって、「家族手当」や「扶養手当」と名称が異なる。

この扶養手当の制度にも、妻の年収の上限があります。

それぞれの会社で異なりますが、我が家では103万円が収入の上限になるということでした。


※扶養手当(家族手当)については、それぞれの会社で異なるので、働く前に確認することをおすすめします。

会社の支給要件や支給額によっては、家族手当の支給要件までパート収入を減らした方が家計全体の収入が増えるということもあります。

パート保育士が扶養内で働く時の収入の限度額

パート保育士の扶養範囲内となる年収・月収上限について、それぞれの扶養制度ごとにご紹介します。

  • 社会保険の扶養内の収入上限
    →月88,000円 or 月108,333円
    ※パート労働条件・勤め先による
  • 税制上の扶養内の収入上限
    →年収201万円以下
    ※年収150万円まで満額控除
  • 扶養手当(家族手当)の収入上限
    →夫の勤め先の会社による
    ※年収103万円以下が最多

①税制上の扶養内│年収いくら?

税制上の扶養内でいるための収入上限はこちらです。

税制上の扶養=配偶者控除(配偶者特別控除)が適用される年収

妻の年収配偶者控除
(配偶者特別控除)
150万円以下扶養内
(満額控除)
151~201万円未満扶養内
(段階的に控除額が減る)
201万円以上扶養外

夫の所得が1,000万円以上の場合は、妻の所得に関係なく控除を受けることはできません。

配偶者控除・配偶者特別控除は「本年1~12月の課税所得」によって判断されます。

課税所得のため、非課税の通勤手当や公的給付金は含まれません。

妻の収入の増加以上に夫の税金が増えることはないです。
そのため、税制上の扶養上限には
そこまで気にする必要なありません。

②社会保険の扶養内│月いくらまでなら大丈夫?

社会保険の扶養内でいるための収入上限はこちらです。

社会保険上の扶養=世帯主(夫)の社会保険のままでいられる収入額(年収)

妻の年収社会保険
105.6万円未満
(月額8.8万円未満)
扶養内
105.6万円以上
(月額8.8万円以上)
パート先の社会保険加入条件に当てはまると
扶養外
130万円以上
(月額108,333円以上)
※60歳以上は180万円以上
扶養外

社会保険の収入上限は、全員同じではありません。

妻のパート先の社会保険加入条件を満たすかどうかによって違いますので、しっかりご確認ください。

パート先の社会保険加入要件5つ

パート先の社会保険加入条件は5つ
  • 勤務先の従業員数が「101人以上」
    ※2022年10月~
    改正 それまでは従業員数が501人以上
  • 「2ヶ月超」の雇用の見込みがある
    ※2022年10月~改正 それまでは1年以上
  • 週の所定労働時間が20時間以上
  • 月額賃金が8.8万円以上
    (賞与・残業代・通勤手当含まず)
  • 学生以外

上記5つの条件をすべて満たすと、勤め先の社会保険への加入義務が発生します。

ほのびこ
ほのびこ

2022年10月から社会保険加入条件が改正されていますので、注意してくださいね。

扶養内・扶養外での要チェックポイント
  • 106万円の壁(月額88,000円):
    賞与・残業代・通勤手当を含みません。

    パート先との契約条件から見込まれる収入が月額88,000円以上かどうか。
     
  • 130万円の壁(月額108,333円):
    賞与・残業代・通勤手当を含みます。

    実際の1~12月の年収に関係なく、夫の健康保険組合から「恒常的に月収108,333円(年収130万円÷12ヶ月)を超えそう」と判断された時点で扶養を外されます。

『社会保険上の扶養』での注意点!

『社会保険上の扶養』での注意点である「社会保険の適用拡大とは?」についてお話します。

社会保険加入対象が広がることが2020年5月29日に成立した「年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律」(年金制度改正法)で決まりました。

年収106万円未満で働く場合は、これまで通り社会保険上の扶養に入ることができます。

また、年収が130万円を超えた場合、社会保険の加入対象者になる点もこれまで通りです。

注意が必要なのは年収106万円以上130万円未満で働く場合です。

年収が130万円未満、かつ週の所定労働時間または月の所定労働日数が通常の労働者の3/4未満であっても、以下のすべての要件に該当する場合には、夫の社会保険上の扶養に入ることはできません

パート扶養の収入上限の注意点

それぞれの年収の壁によって、交通費・残業代・給付金(失業手当、育休手当等)を含めるかどうかが違います。

妻の年収交通費
通勤手当
残業代
賞与
給付金
106万円の壁
社会保険の扶養
含まない含まない含まない
130万円の壁
社会保険の扶養
含む含む含む
150万円の壁
税制の扶養
(非課税分は)含まない含む含まない
201万円の壁
税制の扶養
(非課税分は)含まない含む含まない

もし通勤手当が非課税範囲外であれば、課税所得として税制の扶養(150万円の壁・201万円の壁)に関わってきますのでご注意ください。

▼通勤手当の非課税限度額(国税庁)
マイカー・自転車通勤者の通勤手当
電車・バス通勤者の通勤手当

また、年収の壁によって収入の考え方(見込み収入なのか、実際の収入なのか)も違います

  • 106万円の壁:
    パート先との契約条件から見込まれる収入が月額8.8万円以上かどうか
  • 130万円の壁:
    現在の収入(月収)から見込まれる、向こう1年間の年収の金額
  • 150万円・201万円の壁:
    1~12月の実際の給与年収(課税所得)

パート保育士が働き損にならないためには

パートで働き始めても、「扶養制度」についてよく理解していないと「働き損」になることがあります。

「働き損」とは、労働時間や時給がUPして年収が増えると逆に手取り額(実際に自分がもらえるお金)が減ってしまう年収ゾーンがあることです。

パート保育士が「働き損」にならないためには、106万の壁(勤務先の社会保険要件を満たしている場合)と130万円の壁(106万円の条件に当てはまらなかった人でも、夫の社会保険の扶養から外れる年収限度額)をわずかに超えてしまった場合、扶養外になって手取り額の減少を感じるでしょう。

またパートの年収が、世帯主(夫)の会社からの「扶養手当(家族手当)」をもらえる年収限度額を超えてしまった場合も、今までもらえていた「扶養手当(家族手当)」をもらえなくなります。

パート年収106万円と130万円の壁に要注意

パート保育士が働き損にならないためには、パート年収106万円と130万円の壁に要注意です。

パート保育士の手取り額に一番大きく関わってくるのは、社会保険上の扶養です。

106万円の壁や130万円の壁を少しだけ超えて扶養外となってしまうのが一番もったいない働き方になるかもしれません。

社会保険の扶養の壁である「106万円」や「130万円」をわずかに超えてしまった場合、社会保険上の扶養外になることで、自分で社会保険料を支払う事になるので一気にの手取り額が減って「働き損」になります。

扶養手当がある場合は、その要件もチェック

専業主婦だったり、扶養内で働いていた場合、世帯主(夫)の会社から「扶養手当(家族手当)」をもらっている方も多いはずです。

今までは、それほど気にしていなかったかもしれませんが、パートとして保育士に復帰しようと考えているのなら、「扶養手当(家族手当)」をもらえる支給条件についても、世帯主(夫)の会社にきちんと確認しておきましょう。

パート保育士を始めてから、気がついたら、「扶養手当(家族手当)」の要件を超えるパート収入になっていることもあるので注意が必要です。

その場合も、「扶養手当(家族手当)」をもらえる限度額をわずかに超える働き方が1番「働き損」を感じてしまうことになるからです。

※世帯主(夫)の会社からの「扶養手当(家族手当)」の支給条件は、それぞれで大きく異なります。

妻のパート年収の限度額も違うので、働き始める前に前もって確認しておくことをおすすめします。

まとめ:パート保育士は「扶養制度」を上手に活用して賢く働こう

せっかく働き始めたのだから、「働き損」にはなりたくないですよね。
「働き損」とは、年収が増えると逆に手取り額が減ってしまう年収ゾーンのこと。

その為には、「扶養制度」をわからないままにしておかないようにしましょう

社会保険加入要件を満たしている場合は、年収が106万円をわずかに超えたり、

その他の場合は、年収が130万円をわずかにこえる場合が1番「働き損」を実感します。

結論として、社会保険の加入要件を満たしている場合は、103万円をギリギリ超えない働き方をするか、超えそうな場合は、思い切ってこの機会に年収を増やすように考えてみるのもいいと思います。

扶養内で働くか、扶養を外れて働くかをしっかり見極める事がポイント

扶養内で働くか、扶養を外れて働くかは、パート保育士をしている人の家庭環境や、それぞれの家族で価値観が違うので、どちらがいいのか一概には言えません。

しかし、今の自分にとってどちらで働くのが最善であるかを見極めながら、働き方をしっかり考えていってもいいのではないでしょうか。

扶養内で働くメリット
  • 社会保険料や年金の支払いが免除
  • 夫の「扶養手当(家族手当)」がもらえることもある
  • 所得税を支払わなくていい
扶養を外れて働くメリット
  • 将来もらえる年金額が増える
  • 「傷病手当金」や「出産手当金」の支給対象となる
  • 世帯年収が増える

106万円の壁・130万円の壁をわずかに超えると「働き損」を実感しやすい

「106万円の壁」
年収が106万円を超えると社会保険加入条件(5つ)を満たしていた場合、夫の社会保険の扶養を外れる

年収106万円を超えない範囲のギリギリは、こんな雇用形態でシュミレーションできます。
賞与・残業代・通勤手当を含みません。

例)時給1100円×1日4時間=日給4,400円
  月の勤務日20日を超えない(4,400円×20日=88,000円)
  1週間に5日を超えない(4時間×5日=週20時間)

「130万円の壁」
年収が130万円を超えると(60歳以上の場合は180万円以上)、夫の社会保険の扶養を外れる

年収130万を超える場合は、賞与・残業代・通勤手当を含みます。

単純に時給計算だけではありません。
パート保育士で働く場合、賞与をもらえる事は少ないように感じますが、正社員ほどではないけれど、賞与をもらえる職場もあるので注意しましょう。

扶養内・扶養外での要チェックポイント
  • 106万円の壁(月額88,000円):社会保険の加入要件5つを満たしている場合
    賞与・残業代・通勤手当を含みません。

    パート先との契約条件から見込まれる収入が月額88,000円以上かどうか。
     
  • 130万円の壁(月額108,333円):
    賞与・残業代・通勤手当を含みます。

    実際の1~12月の年収に関係なく、夫の健康保険組合から「恒常的に月収108,333円(年収130万円÷12ヶ月)を超えそう」と判断された時点で扶養を外されます。

扶養内パートとして働く際には、社会保険上の扶養の境い目である「106万円の壁(月8.8万円)」や「130万円の壁(月108,333円)」に注意しましょう。

また、夫の会社に配偶者への扶養手当制度がある場合は、扶養手当(家族手当)の支給要件も確認しておきましょう。

社会保険の扶養内の収入上限
→月8.8万円 or 月108,333円
※パート労働条件・勤め先による
税制上の扶養内の収入上限
→年収201万円以下
※年収150万円まで満額控除
扶養手当(家族手当)の収入上限
→夫の勤め先の会社による
※年収103万円以下が最多

扶養制度はややこしいところが多く、知らないと働き損になってしまうこともあるので気を付けてくださいね。働き損になりたくない人は、パート保育士を始める前に、自分の働き方について考えてみましょう。

ほのびこ
ほのびこ

扶養制度を利用して、自分と家族にとってベストな働き方を見つけていきましょう。

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